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ドリアン大好き

私が初めてドリアン(タイ語でトゥリアン)を食べたのは、タイに駐在してからでした。それまで何度も仕事や旅行で東南アジアを訪れたことはあったものの、ドリアンを食べる機会はなかったのです。

初めて、こわごわ、それを口にした際、食べる時より、食べた後にこみ上げてくるゲップの臭さに、「なぜ、こんなものが果物の王様なんだろう?」と思ったものです。

しかし人に勧められて(しょうがなく)なんどか食べるうちに大好きになり、食べるだけでなく、ドリアンについてもっと詳しく知りたくなってしまったのです。

1.ドリアンとは
ドリアンは、熱帯雨林地帯に育つ、パンヤ科の多年生樹木で、寿命は80-100年と言われています。木の高さは、20-25m程度になります。実がなるまでには、植えてから6-7年掛かるそうです。

ドリアンは英語でDurianと書きますが(タイ語ではトゥリアン)、この語源はマレー語の「とげ」を意味する「Duri」です。名前の由来からして、原産地はマレーシア・インドネシア(ボルネオ)だと言われています。タイでは、既に300年以上前には栽培されていた記録が残っています。

強烈な匂いで有名ですが、ほとんどのホテルは室内への持込を禁止しています。ドリアンの好きな人にとっては気にならないのですが、嫌いな人ですと1-2日経っても匂いを感じるらしいです。


果肉は非常にクリーミーで甘く、カスタードのようで、「果物の王様」と言われます。私は、カスタードのようなトロトロになるほど熟れる前の、少し繊維質の残っている方が好きですが・・・果肉にはビタミンA・カルシウムなどが豊富に含まれています。また、あの匂いと甘さですから、絶対にカロリーは高いに違いないと思っていたのですが、100gあたり130-150kcalでそれほどでもないようです。

2.ドリアンの産地
タイでは、年間100万トン以上のドリアンが生産されており、圧倒的に世界一の生産量です(マレーシアが第2位で、タイの半分程度)。産地として有名なのは、東部のラヨーン県、チャンタブリー県、トラート県、プラチンブリー県と南部のチュムポーン県、ナコンシータマラート県、ラノーン県、ナラティワート県、スラタニー県、ヤラー県、ソンクラー県ですが、圧倒的に多いのがチャンタブリー県で全生産量の半分近くを占めています。次いで、ラヨーン県、チュムポーン県、トラート県が続きます。

ラヨーンの町には、巨大なドリアンの模型(良く見ると、その周りには小さなマンゴスチンなど他の果物もあるのですが、ドリアンだけが巨大)が看板代わりに置いてある市場があり、5月頃のシーズンになると、信じられないほどの量のドリアンが集まってきます。

3.ドリアンの旬
東部のラヨーン、チャンタブリー、トラート、プラチンブリーでは4−7月、南部のヤラー、チュムポーン、ナコン・シータマラート、ラノーン、スラタニーなどでは8−10月が収穫の時期です。最大の生産地は東部ですので、この地域の収穫のピークとなる5−6月が一番の旬と言えるでしょう。

4.ドリアンの種類

タイでは、研究用も含め200種類程度のドリアンがあるといわれていますが、実際に流通しているのは、主にチャネー種(Cha Nee)、モントーン種(Mon Thong)、ガンヤオ種(Kan Yao)、クラドゥムトーン種(Kradum Thong)の4種類です。特に良く見かけるのは、チャネー種とモントーン種で、次にガンヤオ種(中華街などで見ます)、クラドゥムトーン種はほとんど見ません。

また、タイは、東南アジアのドリアンの故郷でもあります。インドネシアのKani種は、チャネー種を改良したものですし、Otong種はモントーン種を持っていったものです。マレーシアのD99種もタイのドリアンが起源ですし、D123種はチャネー種、D158種はガンヤオ種、D159種はモントーン種とタイで生まれたドリアンです。また、フィリピンでもチャネー種とモントーン種が広く栽培されています。

5.主な品種
(1)チャネー種(Cha Nee)
  チャネーとは、タイ語で「テナガザル」の意味です。ドリアンの実が枝からぶら下っている様が、同じ ようにぶら下るテナガザルに似ていることから来ています。
特徴は、花が咲いてから90-100日と比較的早く収穫でき、茎は短く、大きさは中型(2-3.5kg)です。種は扁平の小さめで、果肉は甘く、匂いは強烈です。一番流通量も多く(全生産量の約45%)、値段は20-30バーツ/kg程度。

(2)モントーン種(Mon Thong)
  モントーンとは、タイ語で「金(トーン)の枕(モン)」という意味です。黄色く熟れた果肉の形が、枕に似ていることからつけられたものです。
特徴は、花が咲いてから収穫まで120-135日、茎は短く、大きさは中型から大型(2-4.5kg)です。種は扁平の小さめで、甘さ控えめ、匂いも少なめで、私のお薦めです。チャネー種に次いで流通量が多く(全生産量の40%程度)、値段は、40-50バーツ/kg程度。

(3)ガンヤオ種(Kan Yao)
  ガンヤオとは、「茎(Kan)が長い(Yao)」という意味です。
特徴は、その名の通り、茎の部分が10cm前後或いはそれ以上と長く(チャネー種・モントーン種などは、5-8cm)、花が咲いてから収穫までは120-135日と比較的遅いことです。大きさは中型(2-3.5kg)で、種は大きく、果肉は甘いです。流通量は、チャネー種やモントーン種に比べると少ないですが、中華街ヤワラートではよく見ます。値段は、高めの60-80バーツ/kg程度。

(4)クラドゥムトーン種(Kradum Thong)
  クラドゥムトーンとは、タイ語で「金(トーン)のボタン(Kradum)」という意味です。その形が、昔の中国風のシャツのボタンに似ているところから来ています。
特徴は、花が咲いてから収穫まで90-100日と早く、茎は5-7cm程度と短く、大きさも小型から中型(1.5-3kg)です。種は比較的大きく、果肉は甘いです。ほとんど売っているのを見ませんので、値段は分かりません。

6.ドリアンの買い方
ドリアンは、1年中売っていますが、一番の旬は5−6月です。この時期が、一番おいしく、値段も安くなります。雨季になって雨が続きますと、果肉がべチャべチャしてきて、少し苦くなってくるように思います。

売り子は、外観だけでなく、ドリアンの真ん中から下の方を叩いた音で、熟れ具合を判断しているようです。買う際は、皮(殻)の一部を切って開けてもらい、自分で果肉を触って、固さ(熟れ具合)を確かめるのが良いと思います(私は少し固めが好きです)。気に入らなければ、次の物をまた開けてもらいましょう。タイ人は皆、そうしてますし、遠慮することはないのです。

ようやく、どのドリアンを買うか決めると、ナタのような包丁で本格的に切って(押さえる方の手には、鍋つかみのようなグローブをしています)、中の果肉を取り出してくれます。果肉は、一つのドリアンから4−5個取れ、ひとつひとつ紙に包んで貰えます。

7.ドリアンの消費
タイでは、100万トン以上のドリアンが生産されていますが、そのうち85%は生食用として、5%が加工用(ドリアンペーストやドリアンチップなど)として国内で消費されています。残り約10%は輸出されており、主な向け先は香港、台湾、中国などです。

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